研究課題/領域番号 |
21K04577
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
木村 祥紀 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 核不拡散・核セキュリティ総合支援センター, 研究職 (60636869)
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研究分担者 |
高橋 時音 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 核不拡散・核セキュリティ総合支援センター, 技術・技能職 (20811102)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 線源位置推定 / ボクセル型検出器 / モンテカルロシミュレーション / 放射線計測 / 核セキュリティ |
研究実績の概要 |
大規模公共行事等における核・放射線テロの脅威への対策である核セキュリティにおいて、人や物資が複雑に流れている状況下で放射線を即時に検知し、かつその発生源を迅速に特定することが必要不可欠となる。本研究では、異常な放射線の発生位置を迅速に推定することが可能な方向感度型ガンマ線検知装置(DirectionSensitivityGammaDetector: DSGD)の開発を最終目標とし、ボクセル型検出器と機械学習を組合わせた新しいガンマ線発生位置推定技術に関する基礎研究を実施する。 令和5年度は、ボクセル型検出器モジュールで測定したガンマ線スペクトルの情報から線源位置を推定する手法に関して、モンテカルロシミュレーションにより事前に構築したボクセル型検出器モジュールの応答関数データベースを元に自動的に測定線源の立体角及び距離を推定するアルゴリズムの性能評価と、性能向上のためのアルゴリズムの改良に関する検討を行った。試作機として構築したボクセル型検出器モジュールで取得したCs-137標準線源の測定データにより線源位置推定アルゴリズムの性能を評価し、十分な統計精度が得られるデータに対して測定線源の立体角及び距離を高精度で推定できることを実証した。応答関数データベースから測定データの最近傍点を探索するアルゴリズムにおいて、測定スペクトルにおける最大ピークのネット計数を使った最近傍点探索によって推定性能が向上できることを確認し、探索メトリックとして重み付きコサイン類似度を使用することで検出器の姿勢の不確かさに起因する推定位置の不安定化を低減できることを確認した。また、線源位置推定において線源の距離が性能を決定する最も重要なパラメータであることを明らかにし、これを非線形型の機械学習モデルで回帰推定することで推定位置の精度を向上できることを確認した。これらの成果を論文誌等にて報告した。
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