堤防の高さなどの基準は河川ごとに決められており、それに合わせて増築が繰り返されてきた。古くから存在するものは履歴(土質、積層状態)が不明なものも多く、新しい技術として表面が護岸コンクリートで覆ったことによる盛土への影響など、開削しないと分からないことばかりである。堤防の維持管理において、堤体内部の状態を非破壊で調査出来る新技術が強く望まれており、本研究成果は、宇宙線イメージングが新技術として十分可能性があるものであると実証できたと考えている。今後は、様々な場所、条件での観測を可能にする手法の開発や詳細な解析による堤体内の密度分布の算出など、実装に向けた研究を進めていきたいと考えている。
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