研究課題/領域番号 |
21K04766
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
山下 善之 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60200698)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | プロセスモニタリング / 機械学習 / バッチプロセス / 動特性 |
研究実績の概要 |
バッチプロセスでは,多様な製品を製造するため,同じ条件で運転する回数は必ずしも多くないため,データ駆動型のモデルを作成するために必要な十分な量のデータを確保できずに精度を確保できないという場合が多い.そこで,同じ装置で類似の製品を作るのであれば,多少違った製造条件の運転時のデータであっても活用することによってモデルの精度を向上できるようなモデル化の手法が望まれている.そのような手法を開発するためには,さまざまな学習手法の有用性や特徴をを比較検討するためのデータが必要となる.そこで,本年度は,まず,実際の運転を想定したバッチプロセスの動的な運転データをダイナミックシミュレーションによって生成できるようにした.その上で,さまざまなシナリオに基づいた運転データをシミュレートすることが可能となった. 並行して,マルチタスク学習のアルゴリズムについても既往の方法をベースとしてバッチプロセスへ適用する際の課題から考察して新たな手法の検討を進めた.その結果,評価関数を適切に工夫することによって,従来の手法では運転データが少なすぎて十分な精度のモデルを作成することが困難であった場合に対しても,運転状況の異なる他のバッチのデータをより効率よく活用することが出来る手法をかいはつすることができた.このアルゴリズムによって,従来のスパースモデリングやマルチタスク学習のアルゴリズムよりもさらに少ないデータ数でも高精度に挙動予測が可能なモデルを開発することが可能となった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定のとおり,バッチプロセスのシミュレーションを実施できる環境をととのえることができている.また,並行してマルチタスク学習のアルゴリズムについても開発を進めることができた.
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今後の研究の推進方策 |
シミュレータで生成したデータを活用して,さまざまな機械学習手法を適用し,バッチプロセスの状態予測に適した手法を開発する.
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