現在実用化が進められている量子暗号通信には、通信者間で共有する暗号鍵の複製の可能性を完全に排除することができないという技術的課題、そして光ファイバーネットワークにおいて暗号鍵を担う通信信号の損失を補うため光増幅を行うことができないという原理的課題が残されている。本研究では、本研究室で独自に開発された検出方法に依存しない「無条件の量子もつれ光」の発生手法、および本研究室で実験的に確認された量子もつれ光の誘導放出手法を組み合わせることで、受動光学素子のみを用いて上記の技術的・原理的課題を同時に解決する量子もつれレーザーの原理である「誘導放出」により放出確率を増幅する試みを行った。
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