低炭素社会の実現を背景に実用化が期待されている有機光電変換素子の開発において、三重項励起子の有効利用(三重項ハーベスト)が素子高性能化への鍵として注目されている。しかし、動作中の有機電子デバイスにおいて(オペランド)、三重項ハーベストを確かめ、その反応機構を調べる有効な計測手段は確立されていない。本研究では、三重項ハーベストをオペランド観測する新しいスピン計測法としてゼロ磁場における発光・電流検出磁気共鳴法を開発し、有機デバイス中の電荷キャリア再結合やテトラセン多結晶粉末のシングレットフィッションの機構解明に成功した。
|