土壌中の有害金属は,植物の根の成長や発達を阻害する要因である。有害金属を含む不良土壌でも「植物の健康」が維持されれば,農作物・バイオマス植物の生産性は向上し,世界が直面する気候変動・食料不足の解決にも直結できる。そのためには植物の有害金属耐性を理解する必要がある。本研究は、根の中でも根端分裂組織(メリステム)の細胞群が有害金属の種類によって少なくとも部分的に異なる機序によって阻害作用を受けること,その要因の1つとしてDNA損傷の可能性を示した。本研究の成果は,有害金属ストレスに負けない植物バイオマス生産技術の開発の基盤となることが期待される。
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