脂肪酸アミドは工業的にはプラスチックの製造において加工をしやすくする可塑剤として有用である。近年では、医薬品としての有用性が注目されている。現行の化学合成法は、環境負荷が大きいことが問題である。本研究では、環境負荷の小さいバイオプロセスの構築を目指し、新たな微生物酵素の探索と解析を行った。その結果、Mycobacterium sp. AKU 2014株において脂肪酸アミドの一種であるオレアミドならびにエルカミド合成活性を見出した。当該活性を担う酵素を精製し、解析したところ、セリンペプチダーゼと相同性を有していた。さらに、酵素遺伝子を大腸菌において発現させ、酵素的諸性質を明らかにした。
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