研究課題
基盤研究(C)
大腸菌MG1655の無細胞抽出液を試料としてL-[35S]システインによるトレーサー実験を行ったところ、経時的に35S標識されるタンパク質が見出した。in vitroにおいて、これらとシステインデスルフラーゼの間の硫黄原子の受け渡しについて確認を行ったところ、経時的な[35S]標識量の変動が認められた。大腸菌にはIscS、SufS、CsdAの3種システインデスルフラーゼの存在が認められており、それぞれを用いた場合の[35S]標識量についても確認を行った。
応用微生物学
生体内には存在量は微量ながら高い生理活性を有するチアミン、ビオチン、リポ酸、鉄-硫黄クラスター、モリブドプテリンなどの補因子や、tRNAに含まれるチオウリジンなどの含硫化合物の存在が知られている。大腸菌においてPLP酵素であるシステインデスルフラーゼが、含硫化合物生合成の初発段階において硫黄を供給するという、極めて重要な役割を有していることを示唆された。この知見を生かすことで、含硫化合物の生合成プラットフォームの構築が可能となり、効率的かつ安価な生産が可能になると期待される。