研究課題
基盤研究(C)
真菌症は、5~10人に1人が罹患しているとされる重大疾患である。近年の多剤耐性菌の増加に伴い、真菌症の治療にはさらなる有効な新薬が求められている。本研究では、新規な作用メカニズムを有するイネ由来の抗真菌ペプチドから新たな抗真菌剤を開発することを目的とし、高活性かつ化学合成が容易な短鎖ペプチドを得た。また、トランスクリプトーム解析および遺伝子欠失酵母を用いた解析により、新奇抗真菌メカニズムの一端を明らかにした。
生物有機化学
この研究の学術的意義は、既存薬の作用機構とは異なる新しい抗真菌薬の開発を進め、真菌症に対する新たな治療法を提供することである。本研究において着目した短鎖ペプチドは、化学合成が容易であり、製造コストを抑えつつ耐性菌問題に対処できる。社会的意義としては、国民の医療コストの削減や生活の質の向上が期待される。このように本研究は、真菌感染症治療の新たな選択肢を提供し、広範な社会的貢献に繋がることが見込まれる。