哺乳類において2アミノ3カルボキシムコン酸6セミアルデヒド脱炭酸酵素(ACMSD)はトリプトファンからナイアシンへの転換率を支配する鍵酵素である。また、ACMSDは神経毒キノリン酸の産生にも大きく影響している。本研究では、炎症を誘導したマウス由来ミクログリア細胞(脳内マクロファージ細胞)に食品成分を添加し、トリプトファン代謝鍵酵素の発現、炎症マーカーの分泌、作用機序を検討した。その結果、アピゲニンなどある種の食品成分は、リポ多糖で誘導した炎症を抑制するとともにACMSDやIDOなどの発現にも影響を与え、そのメカニズムとしてNFκB経路、MAPK経路、転写因子に作用することを明らかにした。
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