クルクミンとヘスペレチンは,癌細胞に対して抑制効果を発揮することが知られている.我々はこれまでにこれらの効果は,転写因子であるHSF1の抑制効果に基づくものであることを明らかにしてきた.HSF1は正常な細胞では,ストレスが加わった際に活性化し,細胞を細胞死から守る役割を担っている.一方,癌細胞においてHSF1は,常に活性化することで細胞死誘導から回避していることが知られている.さらに近年,HSF1は癌の再発や転移の大きな要因である癌幹細胞の維持にもかかわっていることが明らかとなった.本研究は,クルクミンとヘスペレチンがHSF1を抑制効果することで,癌幹細胞に対して抑制的に働くことを見出した.
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