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2021 年度 実施状況報告書

キクタニギク自家和合性遺伝子座Csc1原因遺伝子の解析

研究課題

研究課題/領域番号 21K05564
研究機関高知大学

研究代表者

中野 道治  高知大学, 教育研究部自然科学系農学部門, 准教授 (40705159)

研究分担者 草場 信  広島大学, 統合生命科学研究科(理), 教授 (20370653)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードキク / 自家和合性 / ゲノム解析 / ポジショナルクローニング
研究実績の概要

キクタニギクに見出された自家和合性遺伝子座Csc1の原因遺伝子を明らかにするためポジショナルクローニングを進めた。自家和合性及び自家不和合性の野生系統のリシークエンス解析データを精査した結果、候補領域近傍において、エキソン内にトランスポゾン挿入が認められる遺伝子が存在した。この変異はcsc1変異を持ち和合性であるGojo-0系統、csc1の起源となったAEV02系統はホモで有しているがキクタニギク野生株であるAEV12、AEV13、AEP215の各系統、全ゲノムシークエンスが公開されたリュウノウギクはこの変異を持たず、csc1の原因遺伝子である可能性が考えられた。そのため、この遺伝子が原因遺伝子となっているかを中心に研究を進めた。
この遺伝子はcsc1変異を持たず自家不和合性であるキクタニギク系統及びリュウノウギク系統では600AAからなる。それに対してcsc1変異を持つ系統ではトランスポゾン挿入に伴うフレームシフトにより460AAとC末端を欠く配列となっていた。遺伝子発現を調べたところ、雌ずいで特異的に発現しており柱頭での不和合性反応に関与する可能性が考えられた。
この遺伝子の変異が不和合性から和合性の変化を引き起こすかを明らかにするため形質転換実験を進めている。特に、①野生型のCDS配列をGojo-0に導入して過剰発現させることでの相補性検定、②RNAiコンストラクトを作成し不和合性の野生株へ導入させることでのノックアウトの作成を進めており、これらの植物体を育成して表現型観察を行うことでcsc1の原因遺伝子であるか否かを明らかにしたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画で候補としたSLPK遺伝子の近傍の遺伝子において和合性系統特異的なトランスポゾン挿入が見つかった。この挿入はエキソン領域に認められ当該遺伝子が破壊されていると考えられたことから、この遺伝子を標的として詳細な解析を進めることとした。

今後の研究の推進方策

csc1変異を持つGojo-0、AEV02系統においてトランスポゾンが挿入されていることが明らかにされた遺伝子について形質転換による検証を進める。現在のところ、形質転換用のコンストラクト作成が完了しリーフディスク法による形質転換体の作出を進めている。作出された形質転換体について開花させて自家和合性/不和合性を評価することで表現型への関与を明らかにする。
自家和合性/不和合性の分離は戻し交雑集団において認められるが、昨年度の交配では花粉親として用いたGojo-0系統の花粉が少なく十分な分離集団を育成することができていない。今年度はAEV02系統及びGojo-1系統を花粉親として用いて交配を行い分離集団を育成する。本課題の最終年度において分離集団を大規模展開し、正遺伝学的アプローチにより原因遺伝子候補領域を絞り込むための材料とする。

次年度使用額が生じた理由

当初の計画では、初年度に解析用コンピュータを購入することとしていたが購入しなかったため。次年度以降にコンピュータ購入に使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] A chromosome-level genome sequence of Chrysanthemum seticuspe, a model species for hexaploid cultivated chrysanthemum2021

    • 著者名/発表者名
      Nakano Michiharu、Hirakawa Hideki、Fukai Eigo、Toyoda Atsushi、Kajitani Rei、Minakuchi Yohei、Itoh Takehiko、Higuchi Yohei、Kozuka Toshiaki、Bono Hidemasa、Shirasawa Kenta、Shiraiwa Ippei、Sumitomo Katsuhiko、Hisamatsu Tamotsu、Shibata Michio、Isobe Sachiko、Taniguchi Kenji、Kusaba Makoto
    • 雑誌名

      Communications Biology

      巻: 4 ページ: 1167

    • DOI

      10.1038/s42003-021-02704-y

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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