カーネーションの切り花における香りの減少は、花弁内のフェニルプロパノイドの減少が直接的な原因であると考えられる。このフェニルプロパノイドの減少は、フェニルアラニンから桂皮酸を生合成する過程の抑制が要因と推定されるが、この抑制は、この過程を触媒する酵素量の減少とは異なる機構であると推定される。また、S-アデノシルメチオニンからのメチル基の供給の減少も香りが失われる要因の一つと推定される。 二糖や単糖処理は、こうした香りの抑制機構を解除する効果があると推定され、切り花の香り向上技術として応用できる可能性がある。
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