リン低投入型のブルーベリーの経済栽培技術の確立を最終目標として,国内圃場におけるリンの分布様式,難溶性リンの資化能に優れるエリコイド菌根菌の選抜とその接種が園芸作物の成長に及ぼす影響を調査した.土壌におけるリンの分布は土壌の種類により異なり,長期間の栽培が難溶性リン含量を増加させることが明らかになった.日本に自生するツツジ科植物より単離したエリコイド菌根菌の難溶性リン(リン酸鉄)の分解能を調査し,資化能に優れる2株を選抜した.菌株をレタスおよびブルーベリーに接種したところ,宿主植物の成長が促進された.以上の結果は本菌根菌を活用したリン低投入型の作物栽培体系の確立を示唆するものである.
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