コムギ、赤かび病菌、DON分解細菌SS3株またはそのDON代謝能低下変異株を用いて、発症抑制能について検討した。品種USU-Apogee(赤かび病弱抵抗性)では変異株による発症抑制効果が野生株比べ有意に低下し、DON分解能の欠損による発症抑制効果の低下が示された。一方で、品種農林61号(赤かび病中抵抗性)による同試験では変異株と野生株処理との間で有意な抑制効果の差は見られなかった。SS3株の赤かび病発症抑制機構の一つはDON分解代謝によるものであることが示されたが、DON分解細菌がコムギ上でDONを分解代謝することによる発症抑制効果への寄与の程度はコムギ品種により異なることが示唆された。
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