寄生虫病は20世紀にはほぼ解決したと考えられているが、完全に解決には至っておらず寄生虫に対するワクチンの開発などはいまだに成功していない。その原因の一つは、線虫をはじめとする真核生物の寄生虫に対する異物認識機構が解明されていない点である。本研究では、線虫に対する昆虫による異物認識機構を解明するとともに、線虫による宿主からの異物認識回避機構の解明を行う。これによって昆虫を含めた動物がいかにして線虫をはじめとする真核生物の寄生虫に対して異物認識の進化を解明し、将来的には脊椎動物における寄生虫に対する新たな解決方法の確立につながるものと期待できる。
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