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2023 年度 実施状況報告書

二酸化ケイ素粉末を用いた無機複合木質成形体の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K05707
研究機関京都大学

研究代表者

梅村 研二  京都大学, 生存圏研究所, 教授 (70378909)

研究分担者 松尾 美幸  京都大学, 生存圏研究所, 准教授 (70631597)
安藤 大将  秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 助教 (10751034)
足立 幸司  秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 准教授 (70451838)
山内 秀文  秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 教授 (90279513)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード成形体 / 接着剤 / 木粉 / シリカ / スクロース / クエン酸
研究実績の概要

本年度は、防火や耐火特性を詳細に検討するために、コーンカロリーメーターによる評価を行った。原料には、これまでと同様にスギ木部木粉とシリカ粉末を用い、接着剤にはスクロースとクエン酸の粉末を用いた。木粉とシリカ粉末の混合比は 100:0、50:50、 0:100 とした。接着剤添加率は 20 wt%、接着剤におけるスクロースとクエン酸の混合比は 75:25 とした。成形体の作製は、所定量の原料粉末と接着剤粉末を混合し、混合粉末を金型に入れて熱圧した。熱圧条件は 200℃、4 MPa、10 分、目標寸法は 100 × 100 × 4 mm とした。比較として、ノボラック型粉末フェノール樹脂を接着剤として用い、同じ添加量で木粉シリカ粉末混合比 50:50の条件で成形体を作製した。得られた成形体をコーンカロリーメーターにセットし、燃焼挙動を測定した。測定は JIS A 1316 に準拠し、放射照度 50 kW/m2、時間 300 秒、各条件 3 体で実施した。
測定中、全試料で中央部からの変形が観察された。また、シリカ粉末比率が高いほど、着火時間は遅く、総発熱量と総煙生成量は小さい値を示した。木粉のみの成形体は、発熱速度がピークに達した後に崩壊したのに対し、木粉シリカ粉末混合比 50:50 では発熱速度のピーク終息後も一定の値で推移した。最大発熱速度はシリカ粉末成形体で最も低い値を示した。以上のことから、スクロース・クエン酸接着剤を用いた木粉シリカ粉末複合成形体は、シリカ粉末によって難燃性が向上することが明らかとなった。
ノボラック型粉末フェノール樹脂を接着剤とした成形体と比較すると、スクロース・クエン酸接着剤の場合は着火時間が短く、最大発熱速度も大きくなったが、総発熱量は同等で、総煙生成量については1/3程度に抑えられることが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は、スクロース・クエン酸接着剤による木粉シリカ粉末成形体の耐火特性についてコーンカロリーメーターを用いて検討した。その際、ノボラック型粉末フェノール樹脂を接着剤とした場合と比較して、その特徴を明らかにした。しかしながら、データの解析に時間を要したことや、体調不良が重なり、木粉とシリカ粉末との複合方法についての検討ができなかった。

今後の研究の推進方策

木粉とシリカ粉末の複合方法の検討を進める。これまでの結果を踏まえ、積層構造の成形体を作製し、その力学特性や耐水性、難燃性について検討を進める。例えば、木粉層とシリカ粉末層の2層構造やシリカ粉末層・木粉層・シリカ粉末層の3層構造といった複合成形体が考えられ、それらの材料特性を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

今年度は、コーンカロリーメーターによる測定を行ったものの、解析に時間がかかり、体調不良も重なって、予定していた複合方法の検討ができず、計画に遅れが生じてしまった。また、論文投稿に関わる諸費用の確保も合わせて次年度への繰越が生じた。よって次年度は、主として遅れている研究の実施と論文投稿に繰越額を使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] スクロース/クエン酸接着剤を用いた木粉シリカ粉末複合成形体の燃焼挙動2024

    • 著者名/発表者名
      梅下智史、陳碩也、松尾美幸、梅村研二 、足立幸司、山内秀文
    • 学会等名
      第74回日本木材学会大会

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公開日: 2024-12-25  

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