研究課題
基盤研究(C)
本応募課題では、海面魚類養殖が盛んな西日本と代表的有害プランクトン(シャットネラ属およびカレニア・ミキモトイ)に焦点を当て、水産庁が毎年発行している「瀬戸内海の赤潮」及び「九州海域の赤潮」から過去30年間に及ぶデータを抽出し、それらの整理と解析から、赤潮発生海域の時空間変動の実態を把握した。対象有害プランクトンの赤潮の悪化やフェノロジーの変化を含む長期的トレンド変化が認められ、変動要因として地球規模の気象変動現象が疑われた。
水産海洋学
新たな手法(データフィルタリング)により赤潮の年報データに一貫性を与えて解析した点や、これまでになかった空間スケール(西日本)の解析から30年間の有害赤潮のトレンドを明らかにした点は、今後の赤潮研究に影響を与えるものと予想される。本研究から明らかになった主要有害プランクトンの赤潮の悪化傾向や発生時期の変化は、今後の赤潮対策に深く関係するため、養殖業をはじめとする水産業にとって重要な知見となる。