大胆行動は動物個体群の生息域拡大や繁殖機会向上に繋がる重要な行動である。本研究により、大胆行動をとる魚類の脳の特定領域においてドーパミンが増加すること、神経ペプチドであるバソトシンをドーパミン神経が受容することがドーパミン増加に重要であることなどを明らかになり、大胆行動を調節する脳内機構とバソトシンの新規機能の解明に繋がる重要な知見を提供する点で、学術的に有意義な成果と考える。さらに、本研究で得られた成果は、魚類が忌避的環境に対抗する大胆行動を神経科学的に制御するような応用技術を開発する際に有用な基礎的知見となりうるものであり、水産増養殖への貢献という点において社会的意義のある成果と考える。
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