鯨類モルビリウイルス(cetacean morbillivirus:CeMV)の1種であるDMVは近年、感染海域と感染宿主を拡大している。本研究では、DMVをCeMVの他の種であるPoMVと比較することで、DMV Hタンパク質の変異について検討した。DMV, PoMV共に宿主である鯨類を含めた多くの動物種のSLAMを利用できることが明らかとなった。また、イルカSLAM利用能力に関与するアミノ酸置換を同定した。またPoMV Hタンパク質と異なりDMV Hタンパク質はCHO細胞で細胞融合活性を生じ、既知の受容体以外の分子による細胞融合能力を持つことも示された。
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