研究課題
基盤研究(C)
頸動脈小体におけるシナプス長期増強機構を検討するために、モデル動物の作成、電子顕微鏡的検索法の確立を行った。また、シナプス調節タンパク質の発現解析では、CAMK2βおよびγ、ERK1/2、CB1などのシナプス調節タンパクの感覚神経終末における局在を示し、頸動脈小体における感覚性のシナプス長期増強・長期抑制は感覚神経終末に存在するシナプス調節機構が重要な役割を担う可能性がある。
獣医解剖学
血中低酸素を受容する動脈性化学受容器である頸動脈小体におけるシナプスの長期増強の実験モデル、電子顕微鏡によるシナプス解析法を確立した。また、シナプス調節たんぱくの検索により、臓器内の感覚神経終末におけるリン酸化酵素が、シナプス長期増強に関与することを示唆した。中枢神経系ではよく知られるシナプスの長期増強または長期抑制が末梢組織でも生じ、感覚強度の調節をしている可能性がある。このことは、末梢神経系における感覚調節、個体の適応反応に重要であると考えられる。