研究課題
基盤研究(C)
魚類の種間で共有された免疫システムの機能と種内で独自に獲得された機能を理解するために、モデル動物であるメダカにおける免疫機能の理解は不可欠である。本研究では、メダカの免疫系は成魚における正常な腸内細菌のバランスの維持に必要であり、逆にメダカ免疫系の成熟には腸内細菌と腸管上皮細胞の相互作用が必要であることを明らかにした。また、メダカナチュラルキラー (NK) 細胞を特定し、細胞内寄生細菌に対する免疫応答に重要な役割を持つことを明らかにした。
免疫学、遺伝学、魚類生理学
魚類の免疫システムは種間で多様性を持つことが知られているが、その理解にモデル動物での遺伝学的なアプローチは大変有用である。本研究では免疫不全メダカの作成に加えてメダカにおいて初めて無菌飼育を実現することで免疫システムと腸内細菌の相互作用を明らかにするとともに、NK細胞の特定と機能解明を達成した。これにより、ゼブラフィッシュを含む他の魚類との比較による種特異性と共通性の理解を通じて養殖などへの応用が期待される。