細菌べん毛モーターは、H+またはNa+の細胞内外の濃度差および膜電位によって決定される電気化学ポテンシャルを回転力に変換する。モーターは固定子と回転子から構成され、固定子内部にイオンが流れることでこれらの間で相互作用が生じ、回転力を発生する。その回転はステップ状に変位しており、固定子と回転子の相互作用素過程がステップとして反映されていると考えられる。そこで、生理条件下でゆっくり回るモーターの回転ステップを様々な条件下で解析し、イオンの流れと力の発生の関係性を調べた。その結果、イオン濃度差および膜電位、それぞれ個々の成分がモーターに与える影響に違いが見られた。
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