骨格筋は多核の細胞から構成されており,単に運動器としてだけではなく生体の中で最も大きなエネルギー代謝器官としての役割を果たしている。骨格筋は加齢と共に減少する事が知られているため,骨格筋量の増加(筋肥大)機構の解明は我が国の高齢化社会を支える上で重要な課題である。筋細胞融合のしくみを解明することによりこの問題に対処できると考えた。本研究により、筋細胞融合における細胞膜融合には細胞膜の張力低下が必要であることや筋細胞融合過程における細胞表層アクチン動態、およびBARタンパク質やN-WASP-Arp2/3複合体やRac1-WAVE軸が筋細胞遊走と筋細胞融合のどちらにも関与することを明らかにした。
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