チャイニーズハムスター肺(CHL)細胞のフコシル化糖鎖合成経路を利用して、フコースの構造類似糖であるアラビノースを細胞内N型糖鎖に付加した。細胞を10 mMのアラビノース存在下で14日間培養し、抽出したタンパク質の糖鎖構造を解析したところ、全フコシル化糖鎖量の約4%の割合でアラビノース結合型(アラビノシル化)糖鎖を得た。さらに、フコシル化糖鎖de nove合成経路を破壊した細胞で同様の実験を行ったところ、フコシル化を抑制しつつアラビノシル化糖鎖量を野生型の3倍以上増加することに成功した。これらの結果はCHL細胞が細胞外より添加したアラビノースをサルベージ経路を使って利用できることを示している。
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