虫こぶは、虫こぶ形成昆虫が植物に作る特殊な組織で、昆虫が植物の発生システムをうまく利用して、住まいと食料源を兼ねた構造になっている。ヨモギには複数の異なる虫こぶができることから、同一ホスト植物内での虫こぶの多様性・共通基盤が解明できる。また、多くの虫こぶは木本植物に作られることから、ヨモギは草本植物のモデル系として適している。本研究により、虫こぶによって異なる維管束パターンがあること、近縁別種のタマバエが全く異なる虫こぶ形態を作っていることが分かり、昆虫の能力の奥深さを改めて示した。また、ヨモギ虫こぶに抗酸化作用があることが分かり、物質生産の場としても有効であることが示唆される。
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