研究課題/領域番号 |
21K06334
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
三村 真紀子 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 准教授 (60451689)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 種分化 / 同倍数性 / 交雑 |
研究実績の概要 |
昨年度よりさらに国内でのサンプル収集を行い、SNP数を増やして、国内46系統の分子系統樹を作成した。この系統樹を用いて祖先ニッチの復元を行い、イカリソウ属は日本海側北方集団から派生し、中国地方、四国・九州への多様化したことを明らかにした。また、PhyloNet解析等から、過去の交雑の痕跡が検出された。さらに、ストレス耐性実験や交配実験、生態学的ニッチモデリングによるニッチ同一性検定を行い、交配前生殖隔離が弱く容易に交雑が起こること、気象条件やその他の生態学的環境の違いが種の境界に作用していることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた実験を終えることができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究によって、大陸に発生し国内に分布を広げてから多様化を遂げていてるイカリソウ属Macroceras節において生態進化学的研究をすすめるための基盤が整いつつある。国内での多様化に起点となるが多様化していない地域韓国・ロシアとの共同研究も開始し、今後はイカリソウ属が国内で多様化した進化的系譜を明らかにする。さらに、生態学的生殖隔離が実現した背景を明らかにするために、発現比較解析等を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
発表論文が査読途中であり、その校閲費用・掲載料等に充てるため。
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