本研究はアリ類を対象に、在来種と外来種の原産域・侵入域の気候ニッチと土地利用ニッチを評価し、生態ニッチモデルの精度を比較した。さらに、外来アリが利用するッチおよび所属群集、日本国内に定着可能な既知外来アリ種数の推定も行った。解析の結果、外来アリは土地利用において保守的であり、土地利用データを元にした分布推定が有用であることが示された。また、群集解析により潜在的な外来アリの推定が可能で、国内では最大で60種程度の既知外来アリが定着可能であることが判明した。これらの成果は、未定着外来種や潜在的外来種の侵入リスク評価や生態系管理に重要な知見を提供し、実践的な防除対策に役立つことが期待される。
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