研究課題
2021年度の目標に関して、ブレインバンク登録され研究承諾取得済みの超百寿者群は20例を超えたことから、予定通り対照症例の選定は概ね終了した。今後の、新規解剖例を追加しながら検討を継続する。検討すべき解剖学的部位の選定も終了し、すべて大脳左半球の当初予定されていた部位が、パラフィン包埋切片から、組織学的染色が施行された。検討可能症例は、基本染色として、 HEとKB染色は終了。免疫染色は、自動免疫染色法で条件を均一とすることで、アミロイドベータ、リン酸化タウ、リン酸化αシヌクレイン は概ね終了した。しかし、TDP-43、4リピートタウは一部で終了していない。また、新規症例に関しても標本作成、染色は終了していない。一方、一部の症例に関しては2022年度に計画をしていた、病理解析も開始することができた。その中で、例えば神経原線維変化が中等度の拡がりであるが、アミロイドベータの沈着の少ないPARTの症例も一定数みられることが明確になった。リン酸化αシンクレインが沈着をした初の症例を確認もできた。総じて特徴的なことは、110歳を超える超高齢者においては、高度のアルツハイマー病変化を認めることは少ないこと、レビー小体病に関連する所見を認める可能性は極めて低いこと、脳血管障害の病変も極めて軽微であることが判明した。これは、従来言われている、加齢によってアルツハイマー病理やレビー小体病理、脳血管障害が増加するといった単純な変化はみられないことを示している。今後、研究計画に沿って、詳細な検討を加える。18例の概要に関しては、米国神経病理学会で提示した。また、110歳以上の研究は日本独自の研究であることも、あらためて明らかになった。
2: おおむね順調に進展している
COVID-19の影響が持続したため、移動制限などもあって一部の病理診断に遅れがでているが、解析等は概ね順調である。
やや遅れてい診断等をすすめるとともに、研究計画書に沿って2022年度の病理学的解析の終了を目指す。
COVID-19の影響が持続したため、業務の制限や移動の制限なども重なって、追加としての病理解剖自体は施行できたものの、一部、病理標本作成や病理診断に遅れが生じたことがその理由である。次年度において、遅れている標本作成へ使用するなどにより、計画通りすすめることを目指す。
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Nature
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10.1038/s41586-022-04650-z.