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2022 年度 実施状況報告書

レプリコンを用いた黄熱ウイルス宿主因子の探索:ウイルス高生産性細胞作出に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 21K06571
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

齊藤 恭子  国立感染症研究所, 細胞化学部, 室長 (70235034)

研究分担者 山地 俊之  国立感染症研究所, 細胞化学部, 室長 (50332309)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード黄熱ウイルス / レプリコン / 複製 / 宿主因子
研究実績の概要

代表者はこれまでに、黄熱ウイルス(YFV)17D株のRNA複製能をレポーター発現で評価できるサブゲノミックレプリコンを構築している。本研究では、当該レプリコンを用いて、①YFVの複製に関与する宿主因子を見出すことにより、YFV17D高生産性Vero細胞を作出すること、②YFVのゲノム複製機構の手がかりを得ることを目的としている。
これまでにYFV17Dのサブゲノミックレプリコンが持続的に複製されるVero細胞(レプリコン細胞)を樹立し、今年度はその性状解析に関する論文を発表した。レプリコンは構造遺伝子の代わりにGFP融合ゼオシン耐性遺伝子をコードしているので、レプリコンの複製をGFP蛍光でモニターすることができる。Vero細胞以外にヒト肝がん由来Huh7.5.1-8細胞でも同様のレプリコン細胞を作製し、特性解析を行ったところ、当該レプリコン細胞はVeroレプリコン細胞よりも抗ウイルス薬剤に対する感受性が高く、抗ウイルス薬物スクリーニングに有用であることがわかった。またヒト由来という点は遺伝学的スクリーニングにもメリットがあり、今後はVeroとHuh7.5.1-8の2種のレプリコン細胞を補完的に使用していくのが良いと考えられた。また、YFV感染がもたらす細胞内構造変化をアポダイズド位相差・蛍光顕微鏡で解析したところ、感染に特徴的なオルガネラ膜の時間変化を捉えることができた。今後、複製に関わる膜構造の形成因子を解析する際には、当該顕微鏡を用いたイメージングが有用であると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

業務および別テーマの研究活動に時間を割く必要があり、本研究に割り当てた時間がやや減少したため。

今後の研究の推進方策

レプリコン細胞にレンチウイルスベースのCRISPR/Cas9 single guide RNA(sgRNA)機能欠損型ライブラリを導入し、YFV17D の複製能を亢進または低下させる宿主因子を探索する。また、レプリコン細胞を薬物スクリーニングに供する検討も始める。YFV感染細胞における特徴的な膜構造変化に関与する宿主因子の解析を進める。

次年度使用額が生じた理由

既存試薬等を使って進めていたため、研究費使用開始が遅れた。また、年度末納品等にかかる支払いが、令和5年4月1日以降となったため、次年度使用額が生じた。当該支出分については次年度の実支出額に計上予定である。遅れている計画については2023年度に精力的に進めていき、研究費の適正な使用に努める予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Establishment of Vero cell lines persistently harboring a yellow fever virus 17D subgenomic replicon2022

    • 著者名/発表者名
      Kyoko Saito, Kentaro Shimasaki, Masayoshi Fukasawa, Ryosuke Suzuki, Yuko Okemoto-Nakamura, Kaoru Katoh, Tomohiko Takasaki, Kentaro Hanada
    • 雑誌名

      Virus Research

      巻: 322 ページ: 198935

    • DOI

      10.1016/j.virusres.2022.198935.

    • 査読あり
  • [学会発表] 黄熱ウイルス17D株サブゲノミックレプリコンを持続的に保持するVero細胞の特性解析2022

    • 著者名/発表者名
      齊藤恭子、島﨑健太朗、深澤征義、鈴木亮介、中村(桶本)優子、加藤薫、高崎智彦、花田賢太郎
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会
  • [備考] 黄熱ウイルスサブゲノミックレプリコンを持続的に保持するVero細胞の樹立

    • URL

      https://www.niid.go.jp/niid/ja/basic-science/virology/11670-vir-2022-16.html

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公開日: 2023-12-25  

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