研究課題
基盤研究(C)
本検討により、一部ではあるが抗癌EV抗体が抗腫瘍活性を有することを見出した。そして抗癌EV抗体が認識するProtein Xを同定することに成功した。さらに、Protein X陽性EVが大腸癌におけるバイオマーカーとなる可能性を見出した。今後、癌におけるProtein X陽性EVの病的意義を明らかにしていくとともに、簡便なProtein X陽性EV検出法の確立を目指していく。
細胞外小胞
大腸癌の確定診断法としては大腸内視鏡検査が一般的であるが、侵襲性が高く合併症のリスクも有し、また医療経済的にも高価で医療従事者側の負担も高い検査法である。本研究で見出したProtein X陽性EVの簡易的な検出が可能となれば、非侵襲性に血液から検査が可能となる。これまでに癌細胞が放出するEVは癌の進展、転移において重要な働きを持つことが報告されている。したがって、一部ではあるが癌EV抗体による抗腫瘍作用を見出したことから、癌EVを標的とした創薬への可能性が示された点で意義がある。