HIV感染症はHIVが宿主細胞に数年間に渡り潜伏することから、現在のART療法では患者が終生抗ウイルス薬を服用しなければならないことが問題となっている。そのため、HIV根治薬の創製は社会から求められている。本研究は、ジンチョウゲ科植物由来の抗HIV活性ジテルペノイドの探索研究により、多様な化学構造を有する新規大環状ダフナンを単離・構造決定し、抗HIV活性を評価した。本研究の結果は、大環状ダフナンの化学構造多様性および構造活性相関に関する知見を拡大し、新しい天然由来創薬シーズの発見を通じてHIV感染症根治薬創製に貢献できたと考える。
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