研究課題/領域番号 |
21K06636
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
井上 誠 愛知学院大学, 薬学部, 教授 (50191888)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | retinoid X receptor / RXR agonist / nuclear receptor / Alzheimer's disease / microglia / inflammation / adverse effect |
研究成果の概要 |
現在、アルツハイマー病(AD)型認知症に対する有効な治療薬は存在していない。本研究では有効性が指摘されてきたが副作用や諸課題のため薬物としての開発が進んでいなかったレチノイドX受容体(RXR)アゴニストに着目し、特に当研究室で開発したRXRアゴニスト6OHAの生物学的特徴を検討した。6OHAはミクログリアの炎症に対して極初期における抗炎症作用と炎症収束促進作用を併せ持ち、AD発症の主原因である脳内炎症の抑制作用が期待された。6OHAは生物学的利用能も高く、RXRアゴニストによく見られる高TG血症や甲状腺機能低下症などの副作用を示さず、安全性の高いAD治療薬候補化合物であることを明らかにした。
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自由記述の分野 |
Pharmaceutical Sciences
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、新規RXRアゴニスト6OHAが抗炎症作用と炎症収束促進作用を有する可能性を見出し、生物学的利用能の高さを考慮すると、ADの主原因と考えられるようになってきた脳内炎症を効果的に抑制できるRXRアゴニストである可能性が示唆された。また、6OHAはこれまでに開発されたRXRアゴニストに頻繁に観察された高TG血症、甲状腺機能低下症などの副作用を示さないRXRアゴニストとして、AD治療薬候補として非常に有望であることを示唆する結果を多く明らかにすることができた。今後、6OHAがAD治療薬として臨床で応用できるような研究を進め、社会実装できることを期待している。
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