研究課題/領域番号 |
21K06718
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
加藤 宏一 愛知学院大学, 薬学部, 教授 (40319322)
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研究分担者 |
加藤 文子 愛知学院大学, 薬学部, 講師 (60513934)
巽 康彰 東邦大学, 薬学部, 准教授 (40335055)
加藤 義郎 愛知医科大学, 医学部, 教授 (40513429)
近藤 正樹 愛知医科大学, 医学部, 講師 (00717910)
姫野 龍仁 愛知医科大学, 医学部, 講師 (60753762)
神谷 英紀 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70542679)
中村 二郎 愛知医科大学, 医学部, 教授 (40283444)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 糖尿病神経障害 / 酸化ストレス / ミトコンドリア機能異常 / オートファジー |
研究実績の概要 |
マウス不死化シュワン(IMS32)細胞を用い、高グルコースおよび低グルコースの酸化ストレスやミトコンドリア機能に対する影響に関して検討を進めている。
1)イメグリミンは、IMS32細胞において、高および低グルコースによる細胞生存率の低下、ミトコンドリア酸化ストレスの増加、ミトコンドリア膜電位の低下、ミトコンドリア酸素消費率の上昇、ミトコンドリア電子伝達系複合体I活性の増加を改善することが明らかとなった(加藤文子他、第65回日本糖尿病学会年次学術総会、Kato A, et al., 82nd American Diabetes Association (ADA))。 2)高血糖だけでなく低血糖や血糖変動は、ポリオール代謝経路、小胞体ストレスやミトコンドリア機能異常を介する酸化ストレス亢進により神経の障害を惹起し、糖尿病性神経障害の発症や進展に関与している可能性が考えられる。(加藤文子他、シンポジウム: 軸索損傷とニューロパチーの病態生化学 第95回日本生化学会大会)。 3)高および低グルコースによりミトコンドリア酸化ストレス亢進,ミトコンドリア膜電位低下,細胞死誘導,ミトコンドリア呼吸増加と複合体I活性上昇が認められたが,イメグリミンはこれらのミトコンドリア異常を改善した。よってイメグリミンが高血糖および低血糖により惹起された神経のミトコンドリア機能異常を改善することで糖尿病性神経障害に有効である可能性が考えられる。(加藤宏一、第65回日本糖尿病学会年次学術総会)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
IMS32細胞を用いて、高グルコース、低グルコースや酸化ストレスにより誘導される細胞死、オートファジーやミトコンドリア機能に対する影響を解明し、国内外の学会において発表できた。
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今後の研究の推進方策 |
糖尿病モデル動物を用い、糖尿病性神経障害に対するミトコンドリア機能改善薬の効果について検討する予定である。さらに、今まで行ってきた研究の不足項目の検討を推進させ、学会発表や論文報告につなげる。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究はおおむね計画通り進捗しているが、研究室に既存の実験器具や消耗品を使用することにより、科研費の使用を抑制できた。次年度に試薬や培養器具等の消耗品として使用予定である。
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