近年、不妊症や子宮外妊娠などの異常妊娠が増加しており、卵管ホメオスタシスの維持における分子機構の解明は、不妊や異常妊娠の理解・治療の基盤となる研究である。本研究では、”卵管上皮がどのように構築され機能を保つか”という問いに対し、ERbetaが関与する卵管上皮細胞分化、細胞外環境、代謝成分の解明が進んだ。さらに、普段我々が食する大豆等に含まれる植物エストロゲンもERbetaと同様の機能を持つことが示され、卵管ホメオスタシスの維持における分子機構および食事による効果についても基盤となる研究となったため、学術的・社会的意義の高いものと考えられる。
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