研究課題
基盤研究(C)
申請者は、①BALTが肺で顕在化する際の分子作用機序、②顕在化したBALTのヒト呼吸器疾患における臨床上の意義や役割を、Wntシグナルを軸とした解析によって明らかにしta。Wntシグナルが活性化した樹状細胞がBALT肺のリンパ濾胞構築にどのように組み込まれていくのかを、Genetic Lineage Tracing 法 (GLT法)を用いて検討し、WNTシグナルの下流標的分子の組織局在を中心とした解析では、有益な解析結果が得られた。
組織学、病理学
気道免疫の主体をなすBALTの発生機序を完全に解明することは、呼吸器系でBALTを自由自在に顕在化させることで粘膜面での免疫防御を最大限に強化し、外来異物の侵入・感染に備えるという予防としての先制医療戦略の確立につながる。新型肺炎の世界的な蔓延は記憶に新しいが、呼吸器感染症に対する有効な対抗手段の重要性や必要性が再認識される中、本研究課題の成果が医学的恩恵を社会にもたらす可能性は十分に考えられる。