YAPは細胞の生存やエネルギー代謝に重要な転写共役因子である。本研究では、糖尿病モデルラットの網膜におけるYAPの活性化及びYAPとHIF-1αの相互作用がGLUT1の発現に与える影響を検討した。ストレプトゾトシン誘発性糖尿病モデルラット及び糖尿病の病態形成に関わるメチルグリオキサールを硝子体内投与したラットの網膜において、ミュラー細胞のYAPが活性化することを見出した。しかしながら、これらのラットの網膜ではHIF-1αおよびGLUT1の発現量の変化は認められなかった。これらの結果より、糖尿病時の網膜では、ミュラー細胞のYAPは活性化しているが、GLUT1の発現には影響しないものと考えられた。
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