研究課題/領域番号 |
21K06906
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
藤井 智美 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (50623477)
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研究分担者 |
三宅 牧人 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (80601400)
内山 智子 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (80745448)
島田 啓司 奈良県立医科大学, 医学部, 非常勤講師 (90336850)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 膀胱癌 / microRNA / SOX9 / miR-138 |
研究成果の概要 |
膀胱癌組織に発現する分化マーカーのうち、SOX9、p53が浸潤性膀胱癌に有意に高発現していたため、次世代シークエンサーを用いた遺伝子解析を行なったところ、遺伝子変異による発現制御の関与は明らかではなかった。一方で、膀胱癌細胞の増殖能や浸潤能はmiRNAやシグナル関連分子などエピジェネティクな発現制御機構によると考えられたため、膀胱癌細胞株を用いて分化マーカーとこれを標的とするmiRNAの機能を検討したところ、膀胱癌細胞の増殖能や浸潤能はエピジェネテックな分子機能に依存しており、特にSOX9がmiR-138の調節を受けて、浸潤増殖に関与していることが明らかとなった。
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自由記述の分野 |
泌尿器病理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癌の診断や治療においては遺伝子変異の検出や発現異常を示す蛋白の検出が診断の決め手となり、かつ分子標的治療につながる。膀胱癌においては、今のところ癌特異的な分子標的療法につながるような有効な分子が実用化されていない。膀胱癌は分化能が多彩であることから分化に関連する分子に着目した研究は新たな治療標的となりうる分子の発見につながる。今回、浸潤性膀胱癌に高発現するSOX9に着目したところ、細胞増殖や浸潤能に寄与していることが明らかとなった。SOX9の発現を制御するmiR-138の機能も同様であり、SOX9をはじめとするmiR-138の標的分子が将来の分子標的薬の候補となる可能性を見出すことができた。
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