研究課題/領域番号 |
21K06934
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
森谷 卓也 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00230160)
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研究分担者 |
紅林 淳一 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (10248255)
西村 広健 川崎医科大学, 医学部, 講師 (70368661)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 乳癌 / 非浸潤性乳管癌 / トリプルネガティブ / 病理 / 免疫組織染色 / P4HA / HIF |
研究実績の概要 |
コラーゲン代謝の主要な翻訳後修飾を担うprolyl-4-hydroxase(P4H)は、浸潤性乳管癌の悪性度や予後に関連する因子だが、早期乳癌における発現の意義については不明な点が多い。そこで核異型中等度以上の非浸潤性乳管癌(DCIS) 101例(35~59歳、平均58歳)を対象とし、P4Hαサブユニット1と2, HIF-1αに対する免疫染色を行った。各マーカーの発現はH-scoreで判定した。核異型高度例は中等度例に比して有意にP4HA1、P4HA2ともに有意に高スコアを示した。P4HA2は、HER2陽性例が陰性例より、ER陰性例が陽性例よりそれぞれ有意に高スコアであった。内因性サブタイプ別にはP4HA1およびP4HA2ともにHER2型がluminal A型より有意に高スコアを示した。P4HA2はトリプルネガティブ型もluminal A型より有意に高スコアであった。さらにSpearmanの順位相関係数ではP4HA1、P4HA2、HIF1-αは互いにやや弱い正の相関を示した。浸潤性乳癌と同様P4HAは悪性度の高いDCISで高発現しており、低酸素環境マーカーとの関連も示唆された。また、HIF-2αは19例(18.9%)、PD-L1(28-8)は38例(37.6%)に発現しており、浸潤癌における発現(HIF-2α発現:39.3%、トリプルネガティブ乳癌のPD-L1発現:40.6%)に比して低率であった。DCISの中では、内因性サブタイプによる差がみられたが、統計的有意差は得られなかった。今回の解析結果からは、間質浸潤による周囲組織への影響が乏しいDCISにおいては、乳腺の微小環境への虚血や免疫環境の影響が乏しいと思われる結果が得られたが、その詳細なメカニズムの解析にはさらなるマーカーの追加が必要と思われる。
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備考 |
第14回川崎医科大学学術集会(2023年7月29日)にトリプルネガティブ型非浸潤性乳管癌の特徴に関する臨床病理学的検討 として発表。
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