小細胞肺がんの脳転移形成に関与する因子を探索するために、ヒト小細胞肺がん細胞株DMS273細胞をヌードマウスの脳実質へ繰り返し移植し、脳における腫瘍形成能が亢進した細胞を2種類作成した。また、比較のためにヌードマウス皮下への移植を繰り返して皮下における腫瘍形成能が亢進した細胞も2種類作成した。遺伝子発現プロファイルの解析により、脳への移植を繰り返した細胞で脂質トランスポーターをコードする遺伝子Xの発現が増加していることに着目した。脳への移植を繰り返して得た細胞で遺伝子Xのノックダウンを行うと、in vitroでのスフェア形成能が有意に低下し、マウスにおける腫瘍形成能も低下する傾向が認められた。
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