独自に開発した胸腔内投与法を用い、野生動物における胸膜悪性中皮腫の高率発症を目的とした。針状粒子のTISMOを用いて、AJ雌性マウスにおける胸膜悪性中皮腫の高確率での発症を目的とする実験1、および、pirfenidone (PFD)の胸膜肥厚抑制効果を明らかにする実験2を行った。 実験1ではTISMOにより肺胸膜肥厚を認めたが、明らかな異型を伴う中皮細胞の腫瘍性病変は確認できなかった。実験2では胸膜肥厚のマウスあたりの平均面積について、144ppm PFD投与により減少傾向が認められた。PFDの抗線維化作用が針状粒子による胸膜肥厚の進展を抑制する可能性が示唆された。
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