本研究では、ネズミマラリア原虫Plasmodium bergheiを用いて、メロゾイト形成期に特異的に発現する3種のAP2ファミリー転写因子の標的遺伝子解析を行った。その結果、メロゾイト形成期には、短い時間の中で3種の転写因子によって経時的に遺伝子が活性化され、核分裂、細胞分裂、侵入関連細胞小器官の形成等の過程が順序だって制御されていることが明らかとなった。以上の結果は、メロゾイト形成の基盤となる遺伝子転写制御機構の全体像を明らかにするのみならず、ワクチン標的候補となりうるメロゾイト赤血球侵入機構に重要な新規遺伝子の探索にも非常に有力な情報となることが期待される。
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