Keap1/Nrf2/AREシグナル伝達経路は、酸化ストレスに対する重要な生体防御機構である。本研究では、B型肝炎ウイルス(HBV)感染に伴うKeap1/Nrf2/AREシグナル伝達経路の役割について解析し、以下の知見を得た。①HBV感染に伴い酸化ストレスセンサーKeap1がHBV Xタンパク質と結合することにより、転写因子Nrf2の分解が阻害され、Nrf2が安定化・核移行する。②核移行したNrf2はHBVコアプロモーター活性を阻害することにより、HBVの複製を抑制する。これらの成果は、生体内の抗酸化防御機構がHBVの複製制御に寄与していることを示す重要な知見であると考える。
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