研究課題/領域番号 |
21K07091
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊東 剛 東京大学, 医科学研究所, 助教 (20733075)
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研究分担者 |
冨谷 智明 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (90227637)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 小細胞肺がん / 細胞接着 / マウスモデル |
研究成果の概要 |
細胞接着分子Cell adhesion molecule 1(CADM1)による小細胞肺がん(SCLC)悪性化の分子機構を明らかにするために、SCLC発がんモデルマウスを用いた検討を行った。その結果、Cadm1遺伝子の欠如により生存期間が延長し、SCLCのリンパ管侵襲および転移の抑制を認め、CADM1がSCLCの発生及び浸潤転移を促進することが示唆された。さらに、阻害剤ライブラリーを用いたスクリーニングによりCADM1がCXCR4経路を活性化することを明らかにし、CADM1を発現するSCLCに対してCXCR4阻害剤が分子標的治療として有効であることをマウスモデルで実証した。
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自由記述の分野 |
腫瘍生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小細胞肺がん(SCLC)は肺がんの約15%を占め、日本で年間1万人が死亡する難治がんの代表である。早期から全身に転移をきたし、5年生存率が10%以下と予後不良である。そのため、分子標的が待望されているが、CADM1-CXCR4経路は有望な治療標的となり得る。また、exon 8及び9を含むスプライスバリアントCADM1v8/9がSCLC特異的に発現し、SCLC患者血中のCADM1v8/9断片を標的としたSCLCの血清診断法は現行の腫瘍マーカーであるProGRP及びNSEに匹敵する。ゆえにCADM1によるSCLC悪性化の分子機構を解明することは、SCLCの診断と共役した治療法の開発へとつながる。
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