研究課題/領域番号 |
21K07096
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
三宅 亨 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (70581924)
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研究分担者 |
谷 眞至 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60236677)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | Claudin-9 |
研究成果の概要 |
大腸癌とClaudin-9の関連は未だ不明である。今回、Claudin-9を 過剰発現させたCT26細胞株(CT26-OE)を樹立したところ、CT26-OEでは、細胞増殖が有意に増加した。BALB/cマウスを用いて検討したところ、CT26-OEを投与したマウスは、がん移植後の全生存期間が低下し、CT26-OEを投与したマウスで広範な肺転移が確認された。CT26-OE投与マウスの肺では、炎症反応に関与する免疫応答が有意に低下し、CT26-OEの肺のCD3陽性細胞数はコントロールのCT26と比較して有意に減少していた。これらの結果からClaudin-9が癌免疫に抑制に関与することが示唆された。
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自由記述の分野 |
大腸癌
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果としてCT26細胞にClaudin(CLDN)9を過剰発現させることで、細胞の遊走と増殖が亢進した。また、CLDN9を過剰発現させたCT26を移植したマウスでは、静脈投与により、肺転移の数を増加させた。肺の組織では、CLDN9が過剰発現した腫瘍では、腫瘍浸潤T細胞の数が有意に減少していた。これらの所見は、大腸癌細胞におけるCLDN9の発現が、in vivoにおいて腫瘍微小環境に影響を与え、免疫系を抑制することを示唆していた。CLDN9は大腸癌の転移を促進し、T細胞浸潤を阻害することで予後に悪影響を及ぼすことから、癌の進行における重要な要素であり、治療の標的となりうると考えられた。
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