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2022 年度 実施状況報告書

DKK1/CKAP4シグナルを標的とした肝細胞癌に対する新規抗癌治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K07123
研究機関神戸大学

研究代表者

権 英寿  神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (70648394)

研究分担者 伊藤 智雄  神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (20301880)
松本 真司  大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (20572324)
佐田 遼太  大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (60869783)
福本 巧  神戸大学, 医学研究科, 教授 (70379402)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード肝細胞癌 / DKK1 / CKAP4
研究実績の概要

・肝細胞癌細胞株におけるDKK1-CKAP4シグナルによる腫瘍形成制御機構の解析
DKK1、CKAP4を共に発現するHep3B、JHH7細胞を用いてsiRNA、shRNAによるDKK1、CKAP4のノックダウンを行った結果、細胞増殖が抑制され、その効果はDKK1、CKAP4発現によりレスキューされた。また、それらのノックダウンはAKT、ERKのリン酸化を抑制した。CKAP4モノクローナル抗体によるin vitroでの腫瘍細胞増殖への影響を評価した結果、Hep3B細胞の増殖はCKAP4抗体の投与により有意に抑制された。In vivoの実験系として、ヌードマウスを用いたゼノグラフトモデルを使用して抗CKAP4抗体の腫瘍抑制効果を評価した。Hep3B細胞を皮下移植したマウスに抗CKAP4抗体の静脈内投与を行った結果、IgGのみを投与した群と比較して腫瘍形成が有意に抑制された。

・既存薬との併用による抗CKAP4抗体の抗腫瘍効果の検討
現在、肝細胞癌の抗癌治療の主軸はアテゾリズマブ、ベバシズマブやレンバチニブへと移行している。今回当初予定していたソラフェニブから現在の主軸の一つのレンバチニブへ薬物を変更し、抗CKAP抗体との併用による抗腫瘍効果を検討した。同薬剤はAKT、ERK活性を抑制することで腫瘍増殖を抑制すると考えられている。In vitroの系において、Hep3B及びJHH7細胞に対するCKAP4のノックダウンに加えてレンバチニブを添加することで、増殖抑制効果の上乗せ効果を認めた。この結果から、DKK1-CKAP4シグナルとレンバチニブはそれぞれ異なる経路でAKT、ERK活性を抑制することで、相加的に腫瘍抑制効果を期待できると考えられた。ヌードマウスを用いたゼノグラフトモデルにおいても、Hep3B細胞による皮下腫瘍形成を抗CKAP4抗体、レンバチニブの投与は相加的に抑制した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画では15例を目標に肝細胞癌の新鮮外科切除検体から継代・維持可能な肝細胞癌オルガノイドを作製する予定であったが、オルガノイド培養系の確立に時間を要しており、その後に予定していた研究を行うことができていないため。

今後の研究の推進方策

今年度も引き続き肝細胞癌のオルガノイド培養系の作製を行う。培養系が確立した後に、オルガノイドを用いて、抗CKAP4抗体による腫瘍増殖抑制効果を定量的に評価する。抗CKAP4抗体に高感受性を示す3例、抵抗性を示す3例について、RNA-seq解析を行い、網羅的に遺伝子発現パターンを解析する。TCGAにて公開されている約400例の肝細胞癌遺伝子発現解析結果と照らし合わせ、DKK1-CKAP4シグナルに依存性を示す肝細胞癌のサブタイプを同定する。

次年度使用額が生じた理由

研究計画が一部遅れており、予定していた実験が施行できていないため

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公開日: 2023-12-25  

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