近年、生活習慣病に強く関連する非アルコール性脂肪肝炎が原因とされる肝癌の割合が世界的に増加傾向にある。しかしながら、メタボリック症候群に伴う肝がん発症の分子機序の詳細、サブタイプ特異的な治療標的等、不明な点が残されている。MHC classⅢ領域に存在するBAT3 (BAG6)に着目し、肝特異的Bat3欠損マウスを用いて、高脂肪食摂取により誘導される肝がんの発症・進展におよぼすBat3欠損の影響を検討した。Bat3欠損により肝がんの発症・進展が促進された。また、網羅的遺伝子発現解析、質量分析により、MYC、EGF経路の活性化を伴う肝がんであることが示唆された。
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