本研究では、安静時にヒト全脳で瞬時的に生じる信号伝達を明らかにした。これまで、安静時脳波・脳磁図から瞬時的に生じる脳活動パターンを捉えることは困難であった。それは、安静時には刺激呈示や反応採取が行われないので、パターンの出現時刻が特定できないためである。本研究では、我々が開発したアルゴリズムを用いることで、初めてこれを捉えることに成功した。本研究で得られた知見は、視覚・聴覚等の全脳に分散された情報がどのように統合され意識が生まれるのか、そのメカニズム解明につながると期待される。また本研究で用いた解析技術は、てんかん発作の原因究明や治療法の確立など、医療にも応用可能である。
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