近年、ストレスや老化に加え、感染症罹患が精神疾患の発症や増悪に深く関わることが臨床上問題になっている。本研究課題で我々は、単独飼育ストレス負荷老化促進モデルマウス並びにLPS誘発擬似感染症モデルマウスを用いて、ノビレチン高含有陳皮配合香蘇散の事前反復投与がうつ様行動の発症を抑制し、その作用メカニズムに脳海馬領域の抗炎症型ミクログリアの増強を介した脳内炎症の抑制が関与することを明らかにした。これらの成果は、抗炎症型ミクログリアの増強がストレスや加齢、感染症に伴ううつ発症の予防に有効である可能性を示しており、今後うつ発症予防に向けた分子メカニズムの解明に関する研究に役立てられることが期待される。
|