近年、パーキンソン病(PD)の病因としてBraak仮説が脚光を浴びている。 本研究課題では、「PD患者では腸管内慢性炎症が酸化ストレスを増加させ、その結果疾患発症リスクを増大させる 」との仮説に基づき、口腔内炎症のPD発症への関与について検討した。口腔炎症のマーカーであり、酸化ストレスを惹起する唾液中myeloperoxidase(MPO)の活性はPD患者では正常対照と比較して有意に増加していた。唾液中には熱感受性をもつMPO活性抑制因子が内在し、PDにおける口腔内炎症の亢進は、細菌叢の変化ではなく、内因性のMPO活性制御因子による可能性が示唆された。
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